2024年8月21日、帰宅ラッシュ時間帯に東京都内で発生したゲリラ豪雨。
これにより、都内の至る所で水害が発生。山手線の全線で運転見合わせが出るなど、多くの被害に見舞われました。
そんな中、最もインパクト強かったのが、「新宿のマンホールの蓋が飛んだ」事件。
多くのニュースでも取り上げられたこの現象は、Twitterでも1000万回以上動画が再生され、注目を集めています。
この記事では、豪雨でマンホールの蓋が飛んだ理由を徹底調査。
なぜ蓋と水が噴き飛んだのか、噴き出していた水は一体何だったのかを解説していきます。
新宿のマンホールの蓋が飛んだ
2024年8月21日、東京都港区周辺で発生したゲリラ豪雨により、都内の至る所で水害が発生。
1時間に100㎜という猛烈な豪雨により、新宿区、品川区、文京区の3か所でマンホールの蓋が吹き飛ぶ現象が発生。
まずは、実際の映像をご覧ください。
この映像が捉えられたのは、新宿駅西口の「おもいで横丁」付近。
多くの歩行者が行きかう交差点かつ、目の前には東京都道302号線(靖国通り)も走っており、非常に交通量が多い場所です。
動画では、画面左下付近の交差点角のあたりから水が噴出。
傘を差した歩行者が噴出する水柱を背に走って逃げる姿や、吹き飛んだマンホールの蓋が宙高く舞う様子も映し出されています。
新宿のマンホールの蓋はなぜ飛んだ?豪雨で水が噴き出した理由
ここで気になるのは、「なぜマンホールの蓋が飛んだのか?」「なぜ水が噴き出したのか?」という疑問。
金属製のマンホールの蓋は相当な重量があり、そう簡単に飛ぶようなイメージもありません。
なぜ、いとも簡単にマンホールの蓋が飛んでしまったのでしょうか?
早速、理由を解説していきます。
マンホールの蓋が飛んだ理由はズバリ、
エアピストン現象
であった可能性が高いと見られています。
豪雨災害の際に、発生する可能性が高まるというこの現象。
もう少し詳しく見て行きましょう。
エアピストン現象とは?
意外ですが、晴天時の下水管にはほとんど水が流れていないそうです。
雨が降っても、せいぜい下水管の容量の半分程度までしか水が溜まりません。
しかし、ゲリラ豪雨や大雨が降ると、下水管は完全に雨水で満たされてしまいます。
雨水の流れが激しい場合、下水管内の空気が圧縮され、その結果、50㎏以上ある鉄製のマンホールの蓋が吹き飛ばされることがあります。
この現象が、いわゆるエアピストン現象のメカニズムだったのです。
噴き出していたのは「汚水」だった
今回、新宿の交差点付近で突如噴き出した大量の水。
大雨による水の噴出なので「雨水が噴き出している」と思いがちなのですが、実はそうとは限らないのです…
と言うのも、下水道にはおおまかに2つの種類があり、
・合流式
雨水と汚水を一緒に流す構造
・分流式
雨水と汚水を別々の経路で流す構造
の2方式のどちらかが採用されています。
今回、ニュースやTwitterで話題になっている「マンホールからの噴出」が起きたのは『新宿区』。
新宿区が「合流式」なのか、「分流式」なのかを調べてみると…
新宿区は完全に「合流式」!
つまり、あの映像で噴出していたのはただの雨水ではなく…
大量の雨水と混ざった「汚水」だったのです!
もちろん、噴出していたのは、全てが汚水だった訳では無く、大量の雨水によって希釈された汚水。
エアピストン現象が起きたという事は、マンホールの容量が全て雨水で埋まったから水が噴き出した訳であり、最初に下水道管内を流れていた汚物の殆どは下流に流されていた可能性が高いです。
まとめ
噴き出していた水の殆どが雨水だったとはいえ、今回の噴出が起きたのは日本一の歓楽街「新宿」。
普段から新宿を訪れる方であればお分かり頂けると思いますが、決して綺麗な場所ではありません…
その新宿の汚水が混ざった雨水が噴出していたとなると、あの映像が更にショッキングなものに見えてしまうのは私だけでしょうか?