2024年7月23日、奈良県の奈良公園内で撮影された動画に「鹿を蹴る」男性の姿が捉えられ、その動画は瞬く間に拡散。
TwitterをはじめとしたSNSでは「鹿がかわいそう！」「この男を逮捕するべき」などと批難の声が殺到し、大炎上しています。
当初の情報では、鹿を蹴ったのは「中国人だ」という書き込みで拡散されましたが、時間が経つにつれて「この男は日本人だったのでは？」といった見方が広がりを見せており、新しい火種が生まれ始めています。
そこで、この記事では問題となった動画を徹底検証！
鹿を蹴った男性の特徴や動画内から読み取れる手がかりから、この男性が日本人かもしれない可能性とその理由を検証していきます。
鹿を蹴る動画の男は中国人？日本人？
この騒動が広がりを見せたのは2024年7月22日の午前頃。
当初投稿されていた動画では、鹿を蹴ったのは「中国人」として紹介され、その文面通りの内容でTwitter上でも「鹿を蹴る」動画が拡散。
SNSを始めとしたネット上では、鹿を蹴った「中国人と思われる」男性に対しての批判はもちろん、訪日中国人観光客に対しても「そもそも普段からマナーが悪すぎる」と怒りの感情が拡大。
中には過激な表現で、批判する声も上がっており事態は深刻化している様子。
しかし一部の投稿では、
・この動画の情報だけでは国籍が分からない
・中国人と決めつけるのはおかしい
・鹿を蹴ったのは「中国人」という証拠を示すべき
といった冷静かつ「ごもっとも」な意見も散見され、日本のSNSユーザーが早とちりしている可能性も出てきています。
だとすれば何故、この動画は早い段階から「中国人が蹴った」と拡散されてしまったのでしょうか？
中国人観光客が鹿に手を上げる行為が頻発
過去にも奈良公園内において、中国人観光客と思わしき男性が鹿に手を上げる動画が撮影され話題になった事から、昔の動画も引き合いに出し「嫌なら日本に来なくていい！」などと両国間の問題に発展しかねない論争が始まっています。
この動画の他にも、中国人観光客が「鹿の上に座る」シーンなども流出しており、奈良公園の鹿に危害を加えるのは「中国人」といった印象が根付いてしまっている模様。
一説では、あまりにも中国人観光客が鹿に対して手を上げる回数が多いことから、奈良公園の鹿は「中国人」を見分けられるようになってしまったという逸話まで存在。
信じがたい話ですが、実際に奈良公園内で「鹿に攻撃された人的被害」の訴えの殆どは「中国人観光客」なんだとか。
蹴ったのは日本人だった可能性も
先ほどもご紹介してきた通り、今回流出している動画だけでは「鹿を蹴った男の国籍」は断定できないのが現状です。
今回、この男性が「中国人」と認識されてしまったのには2つの具体的な理由があります。
今回Twitter上で拡散されている動画はすべて、同じ元ネタの様子。
この動画のタイトルに「中国人」という表記があるため、今回の騒動は早い段階から「中国人が蹴った」として拡散されました。
元ネタとなったYouTube動画を最後まで見て行くと、撮影者が鹿を蹴った男性に注意をしようとするシーンが出て来ます。しかし動画は注意をする直前でカットされており、男性が注意される姿は収録されていません。
一部の情報では、最初に投稿した動画は『警告』が来たために一度削除されたとの情報が。
「男に注意するシーンの会話で国籍が断定されてしまうから警告が来たのでは？」といった見方から、SNS側が中国に配慮し、投稿主に「警告」を出した可能性。
以上の理由から、この動画の男性は「中国人」と認識されているようです。
しかし、実はこの動画を見るうえで「着眼点」を変えてみると、この男性が中国人ではなく日本人である可能性も十分に出て来ます。
特にも、この男性の「服装」の特徴からTwitter上では「実は日本人なのでは？」という見方が広まり始めている様子。
次の章では、この男性が「中国人じゃない」かもしれない理由を徹底検証していきます！
中国人じゃないかもしれない理由５選
「鹿を蹴る動画」が拡散された当初から、「蹴ったのは中国人」とされてきたこの騒動ですが、実はそうとも言い切れない証拠が複数確認され始めています。
ここからは、問題の動画に写る男性の特徴を検証。
この男性が日本人かもしれない理由を画像付きで解説していきます！
鹿を蹴る動画の元ネタ
まずは、今回の騒動の元ネタとなったYouTube動画をご紹介していきます！
問題のシーンは「4分30秒」付近から。
画面奥から現れた男性が、不機嫌そうな表情で鹿を複数回に渡って蹴り、最後には別の鹿にビンタして去っていくという内容。
この動画を普通に見ただけでは、テロップの通り「中国人が蹴った」という見方しか出来ないかも知れません。
しかし、動画に写っているこの男性の服装や、音声などを紐解いていくとこの男性が意外にも「中国人じゃない」可能性とその理由が見えてきます！
それでは、詳細を見て行きましょう。
【理由①】カギの束
まず【4分36秒付近】の「1発目の蹴り」を入れた直後に颯爽とこちらに向かって歩いてくるシーン。
鹿を蹴った男のデニムパンツの腰付近には、鍵と思われる金属製品の束が。
通常、海外からの旅行客であれば、紛失を避けるために鍵は持ち歩かないはずです。
たとえ、滞在中のホテルのカギだったとしても、外出時はフロントに預けるのが一般的。
外国人旅行客がカギをジャラジャラ鳴らしながら歩くのは少し不自然ですね。
【理由②】外したマスク
1発目の蹴りの直後【4分38秒付近】に垣間見える、男が手に持っている「マスク」。
渡航客がマスクを着用する姿は昔からよく目にしますが、手に持って歩く姿はあまり見かけません。
コロナ禍の日本人は、このような姿をよく見かけましたが、この様子が「中国人じゃないのでは？」と言われる一つの理由と見られています。
【理由③】「邪魔や～」という声
動画の【4分38秒付近】、周囲の音に紛れて聞こえずらいですが、微かに「邪魔や～」と言っているような声が聞こえます。
この音声が本当に「邪魔や～」と言っていたとすると、この男性が「中国人観光客」である可能性は一気に低くなります。
【理由④】Tシャツが日本のアパレルブランド
動画内で2発目の蹴りを入れた直後の【4分41秒付近】、立ち去って行く男性のTシャツのバックプリントには「IRON HEART 」の文字が。
実は「IRON HEART」というブランドは日本のアパレルブランドの様子。
アメリカンカジュアル系のデザインを得意とし、バイク乗り御用達のデニムパンツやシャツを販売。
この男性のTシャツにも「MOTOR CYCLE IRON HEART」の文字がプリントされており、日本の「IRON HEART」には間違いない様子。
外国人旅行客が滞在中に購入し、着用していた可能性も考えられますが可能性はそこまで高く無さそうです…
【理由⑤】手ぶら
最後に、やはり違和感として残るのは「手ぶら」という点。
この動画の他の外国人旅行客と比較しても明らかに軽装なこの男性。
通常、海外旅行中は不測の事態に備えて「パスポート」を持ち歩くのが一般的。特にも免税で買い物をする際はほとんどの場合はパスポートが必要になる為、軽装で歩くためには最低でも小さめのバックが必要。
しかしこの男性は、バック類は何一つ持っていません。
ポケットにパスポートを入れる事ももちろん可能ですが、落とすリスクを考えると普通はポケットには入れません。
以上の5点を踏まえてこの動画を見ると、この男性を「中国人」とは断定出来ないのはもちろん、むしろ日本人の可能性が高い事も十分お分かり頂けたと思います。
まとめ
ネット上で囁かれ始めた、「鹿を蹴ったのは日本人だった」説。
もし本当に鹿を蹴ったのが日本人だったとすると、Twitter上で中国人観光客を批判した人達は大きな早とちりをしてしまった事になります。
両国間の国民の溝を深めてしまいかねない今回の炎上騒動、真相はベールに包まれたままです。
いずれにせよ、「鹿」という動物は日本でも中国でも古代から「神の遣い」として崇められてきた神聖な生き物。
今回の騒動は、人々の心に潜む「闇」を神の遣いが露わにしようとしているのかもしれません。
